Web サイトはどこまで最適化できる?
Web サイトの最適化と聞いて、真っ先に何を思い浮かべるだろうか。検索エンジンで上位表示をさせる SEO は分かりやすい Web サイト最適化の例だろう。またリスティング広告などの広告からの訪問時に、専用のランディングページを用意する LPO も、よく知られた最適化の施策である。
では、そもそも Web サイトの最適化とは何に対する最適化なのか。もちろん、それはサイトに訪問するユーザーである必要があるだろう。SEO では検索エンジンに対して最適化を行うが、それはユーザーが探している情報を検索エンジンが検索結果上位に表示させて、情報を見つけやすくするという思想に基づいたアルゴリズムに対する最適化になるわけで、その向こうには「ユーザーのため」という意図があることを忘れてはならない。
インターネットで情報を探しているユーザーに対して、自社の Web サイトに適切に誘導し、適切なコンテンツを提供し、適切にゴールへと導いていく、という取り組み全てが「最適化」といえるので、多様化する個別のユーザーニーズに対してきめ細かくマッチングした情報を提供していくことが重要となる。
では、個別のユーザーニーズをどうやって把握すれば良いだろうか。ユーザーに対してアンケート調査を実施するといった方法もあるかもしれないが、そこまでしなくてもユーザーがあなたのサイトを訪れるとき、実は様々な痕跡を残しているので、その痕跡をしっかりと分析し活用していくことが鍵となってくる。
例えば、検索するユーザーは検索窓に入力する「キーワード」によって何を知りたいのか意思表示をしてくれているため、SEO によって検索結果に上位表示してユーザーから見つけられやすくしたり、リスティング広告でキーワードごとの LP を用意して、サイトにスムーズに誘導するといったことができる。
同様に、どの検索エンジンから来ているのか、どの都道府県からアクセスしているのか、といったサイトへの訪問時にユーザーが教えてくれる情報をもとにして、サイトへの流入をより最適化することができるのである。
また最近では、サイトへ流入した後のコンテンツについても、ユーザーが入力したキーワードや接続元の都道府県などで内容を出し分けることができるツールも出てきており、サイト内のコンテンツをユーザーのニーズに沿って最適化できるようになってきた。
また、こういったツールでは大抵 A/B テスト機能がついているので、同じターゲットユーザーに対して複数のコンテンツを表示して、どちらがより成果があったかを計測することで、より最適化を進めていくことができる。
ユーザーが教えてくれる情報は他にもある。会員登録や資料請求時に入力フォームから入力する情報は、ユーザー属性別のターゲットを絞ったアプローチに活用できる。Cookie などでユーザーごとの情報を記録することができれば、先ほどのコンテンツの出し分けを、性別や職業などユーザー属性ごとに行うことができ、より適切な情報をユーザーに伝えられるのである。
また、過去の訪問履歴を記録することができれば、新規ユーザーかリピーターか、過去にどのコンテンツを見ているか、どの商品を買っているか、会員かどうかといった、そのユーザーの過去の行動履歴をもとに広告やコンテンツを適切に切り替えることができるのである。これがいわゆる行動ターゲティングである。
このように、ユーザーの属性と行動履歴を記録してプロファイルを作成し、ぞれぞれのユーザーのプロファイルに最適なコンテンツや情報を提供することでユーザーの満足度を高め、コンバージョンへとつなげることができるのである。また、その後もプロファイルに沿った適切なアプローチをすることで、以降もリピーターになってくれるのである。
ユーザーのプロファイルを活用すると、コンテンツを出し分ける以外にも、過去の購買履歴や閲覧履歴をもとに、お薦め商品やお薦めコンテンツをサイト内でレコメンドしたり、ユーザーがサイト内検索をした際にプロファイルをもとにしてより興味のありそうなコンテンツを検索結果上位に表示したり、サイト内の様々な箇所を最適化していくことが可能になってくる。
また、サイト内だけでなく、会員向けのメール配信でもそのユーザーのプロファイルに沿った内容のメールを送ることで、同じ内容を一斉配信するよりもアップセルやクロスセルにつなげることができるのである。
これまで述べてきたような Web サイトの最適化を進めるための様々なツールが現在出回っているが、今後これらの各々のツールのデータを1つの最適化施策に使うだけでなく、いかに異なるツールのデータを連携して横断的に活用していくことができるかが重要となってくるといえる。
執筆:株式会社アイレップ Web 解析グループ 柏崎貴史

