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最新記事【2009年04月01日】

Web サイトへの集客に対してリスティング広告は、最も一般的な手法の1つだろう。オーバーチュアや Google などのリスティング広告媒体から提供される運用データを眺めつつ、日々その効果向上に努めている方も多いことと思う。

また、リスティング広告も含めた各種マーケティング施策の効果を測るために、Google Analytics や SiteCatalyst などの Web 解析ツールを導入するというのも定着してきた。

もし、あなたがリスティング広告と Web 解析ツールの両方を使用している場合、それらのデータの「調合」を試してみたことはあるだろうか。実はそうして得られるレポートには、マーケティング施策のヒントを含むものが数多くある。本稿ではそれらのレポートの作成方法をいくつか紹介する。その中から、少しでも成果向上へ向けたヒントを見出してもらえれば幸いである。

■未出稿のお宝キーワードレポート

・レポートの説明
自然検索からの流入で成果を挙げているが、リスティング広告で出稿していないキーワードのリスト。これらのキーワードを追加出稿することで、成果数向上が見込まれる。トレンドに合わせて直近で伸びてきたキーワードの洗い出しにも有効。

・用意するデータ
リスティング広告:出稿中キーワードの一覧 …(a)
Web 解析ツール:自然検索からの流入キーワードで成果(コンバージョン)に結びついているキーワードの一覧 …(b)

・作成法
(b)-(a)= 未出稿のお宝キーワードレポート

・使用上の注意
追加するキーワードの表示回数や CPC によっては、成果よりもコスト負担の方が大きくなってしまう可能性があるので、出稿後の費用対効果チェックは必須。

■SEO 注力候補キーワードレポート

・レポートの説明
リスティング広告で成果が挙がっている一方で、自然検索での流入が発生していないキーワードのリスト。これらのキーワードの SEO に注力することで、効果的に成果を伸ばせる可能性がある。

・用意するデータ
リスティング広告:出稿中かつ成果数の挙がっているキーワードの一覧 …(c)
Web 解析ツール:自然検索からの流入キーワード一覧 …(d)

・作成法
(c)-(d)= SEO 注力候補キーワードレポート

・使用上の注意
注力するキーワードの検索回数によっては、さほどの効果が望めないケースもあるので慎重な見極めが必要。

■自然検索のクリック率レポート(Yahoo! 版)

・レポートの説明
Yahoo! における自然検索のクリック率レポート。これらの数値と実際の表示順位を照らし合わせることで、施した SEO の成果確認や、今後の順位変動に基づく流入数変化をある程度予想することが可能となる。Yahoo! のブレンド検索がサイトへの流入に与える影響を確認できる可能性もあり。

・用意するデータ
クリック率を確認したいキーワードのリスト(*1)…(e)
リスティング広告:(e)の各キーワードにおける入札単価を最大値にした場合の予想表示回数(*2)…(f)
Web 解析ツール:(e)の各キーワードにおける自然流入件数 …(g)

(*1)自然検索での流入実績があるキーワードであること。
(*2)スポンサードサーチ管理画面の予測機能より取得。

・作成法
(g)/(f)= 自然検索のクリック率((e)の各キーワードごとに算出)

・使用上の注意
(f)のデータは Yahoo! 上での検索回数と完全には一致しないので、ある程度の誤差があることは事前に見込んでおく必要あり。

執筆:株式会社アイレップ Web 解析グループ 高木龍平

近年リスティング出稿において、細かな運用改善を求めるニーズは高まっているように感じる。だが、その中で、競合他社と比べて CPC が高いということを気にされている広告主が多いように感じる。

しかし、リスティングを運用していて、競合と比較した CPC が高い低いという事象には、手段が目的化していると言える場合があることを説明したい。

もちろん、クリック数(≠PV 数)のみが運用の最終ゴールである場合は、CPC が高いことは間違った問題分析の方向ではない場合もあるだろう。ところが、コンバージョンを測定し、コンバージョン率(CVR)を目標にしている広告主にとって、CPC が高いといういうのは、一概に問題点と言い切れない場合がある。

ここで例えばの話をしよう。あるビジネスマンが、電車で一駅隣の駅まで行きたいと思っていたとする。電車で行けば130円の距離である。しかし、そのビジネスマンは、なんと初乗り710円もするタクシーに乗って隣駅まで行ったのである。つまり、約5.5倍のお金を払って隣駅まで行ったことになるが、このビジネスマンは間違った決断をしたと言えるのだろうか。

ここまで話せば察しがつくだろうが、もちろんそのビジネスマンは間違った決断をしていない。なぜなら、実はそのビジネスマンは10分後に隣駅の近くで重要な客人と待ち合わせしていたからである。しかも、その隣駅まで行く電車は15分に一本であり、3分前に電車が行ってしまっていたのである。そこで、この人は約5.5倍の金額を払って、“早く到着する”という付加価値を買ったというわけである。

さて、リスティングの話へ戻そう。CPC が高いというのは、上の例で背景を知らずにタクシーを使ったビジネスマンの判断を間違っていると言うのと同じように、ビジネスの最終的なゴールを考えず、目先の投下コストへのやや高い投資を気にしているに過ぎないといえないだろうか。

さらに言えば、この“競合の CPC”と比較する理論は、「同業界であれば全ての会社のコンバージョンレートが一律である」という前提がなければ成り立たない。なぜなら、CPC=成約単価(CPA)×CVR であるので、言うならば CPC は CPA を構成する1要素でしかないのだ。

つまり、CPA が高い場合に、はじめて CPC が高いのではないかという議論がなされるべきなのである。むしろ、CVR が良いキーワードであれば、逆に CPC が低すぎることが問題であることすらある。そうすると、競合の CPC と比較する議論が正しいとは言い切れない場合があるという事実に気づくのではないだろうか。

ただ、あえて言うならば、「CPC は高いままで良いのか?」というと、もちろんそうではない。リスティング運用を行う上で、同じかそれ以上のコンバージョンと CVR を維持しながら、CPA を下げるために、適切に CPC を下げる施策を行っていく必要があるのは間違いないだろう。

上述の理由で競合他社と比較するのはナンセンスではあるが、CPA が高い、または、コンバージョンが取れていないキーワードの CPC が高いことは問題視するべき点であるのは言うまでもない。

執筆:株式会社アイレップ リスティングサービスグループ 村上和也










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