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最新記事【2008年07月18日】

前回「ユーザー動線の変化により対応が迫られるモバイル SEO」では、なぜ企業にとってモバイル SEO 対策が必要なのかを説明をしたが、今回は実際にモバイル SEO を行う場合に、特に PC サイト向けの SEO と比べ、具体的にどのようなことに注意したらよいかを解説しよう。

■検索キーワードの違い
PC サイトでも SEO 対策を行っている場合、PC サイトでの対策キーワードをモバイルでもそのまま対策しようと考えるケースが多いが、PC の検索キーワード傾向とモバイルの検索キーワード傾向は異なることが多い。その傾向は、弊社と YICHA による調査結果(http://www.alphaseo.jp/seo-report/080229_173609.html)をざっとご覧いただいてもわかるだろう。

PC 検索の場合は「YouTube」「mixi」「2ちゃんねる」などのキーワードが検索キーワードランキング上位の定番であるが、モバイルの場合は「無料ゲーム」「掲示板」「無料占い」というように一昔前の PC 検索ランキングで上位にあったキーワードがまだ頻繁に検索される傾向にあるようだ。また、詳しく分析をかけていくと、人材系サイトにおいて、PC 検索ではエリア情報との掛け合わせキーワードが多く検索されているのに対し、モバイル検索の場合は職種名との掛け合わせキーワードが多いといった傾向も見えてくる。

■画面の大きさ、操作性の違い
PC に比べモバイルサイトは画面が小さく、そのためスクロールをしないで閲覧できるファーストビューの範囲も狭い。Google モバイルにおいては、キーワードにマッチする画像や地図、ニュースなどがある場合にそれを検索結果に含めて表示するユニバーサル検索が導入されているが、例えば画像が表示された場合は画像検索結果がファーストビューを占め、Web 検索結果はだいぶ画面下部に押し下げられてしまう。たとえ Web 検索で1位になっても、数回スクロールをしないとユーザーはその存在に気がつかないのだ。ユニバーサル検索の検索結果画面で上部に表示される可能性のある、画像ファイルや地図情報も最適化しておく必要があるだろう。

■検索シチュエーションの違い
モバイル端末で検索を行うシチュエーションは、PC 端末で検索を行うシチュエーションと異なる。モバイル端末での検索の方が、その場のシチュエーションが即反映される特徴があると言えるだろう。例えば「ホテル 博多」と検索をした場合、PC の場合は1か月後の出張で泊まるホテルを探しているかもしてないが、モバイルの場合は今夜これから泊まるホテルを探している可能性が高いだろう。検索キーワードに含まれるモチベーションをしっかりと分析し、モバイル検索結果上のタイトル&説明文および飛び先ページを適切なものにしておく必要がある。

■公式サイト/一般サイトの存在
au やドコモの公式ポータルトップから検索をした検索結果画面は、[1.公式サイト検索結果]→[2.一般サイト検索結果]→[3.PC サイト検索結果]の順で構成されている。主要キーワードで検索をした場合、この3つの検索結果すべてにおいてよいポジションを獲得しておくのがベストと言える。しかし、[1.公式サイト]と[2.一般サイト検索]と[3.PC サイト検索]の検索クローラは別ものであることを考慮しなければならない。例えば公式サイトを運営し、一般のクローラがアクセスできない設定になっている場合、[2.一般サイト検索]の検索結果には表示されない。

その対策として、公式サイトとは別に一般検索向けのオープンサイトを作成しておくと良いだろう。また、[3.PC サイト検索]には PC サイトへのリンクが表示されているが、クリックすると PC 用サイトが開いてしまい画像が多くサイズが重い、レイアウトが大きく崩れる、あるいはフォームがモバイル端末に対応していない、という状況がよく見受けられる。これでは、せっかく誘導をしても、かえってユーザーに悪い印象を与えてしまう可能性さえある。モバイル端末から PC サイトにアクセスがあった場合は、適切にモバイルサイトへリダイレクトするなどの処理が必要だ。

■Google 対策と Yahoo! 対策
Google モバイルの検索結果と、Yahoo! モバイルの検索結果を比較してみると、PC 以上にランキングが大きく異なっていることがわかる。Google モバイルは、内部や外部のリンク評価を高めにしているように見受けられるが、Yahoo! モバイルは、Yahoo! カテゴリーに登録されているサイトのトップページがヒットしていることが多い。例えば「トートバッグ」や「財布」などのキーワードで検索をすると、 Google では amazon などの大型 EC サイトのトートバッグ商品一覧(又は商品詳細)ページが表示されることが多いが、Yahoo! の場合はバック専門店のトップページが多く表示される(※)。

以上のように、実はモバイル SEO 対策は、「公式サイト検索対策/一般サイト検索対策」「Google 対策/Yahoo! 対策」など PC での SEO 対策以上に対策を細分化して考えなければならない。モバイル SEO も小手先の技術ではなく、その戦略立てが成否を分けると言ってよいだろう。
(※)2008年7月17日現在

執筆:株式会社アイレップ インターネットマーケティング事業部 広報・販促グループ 斉藤佐知子

モバイル SEO がマーケティング担当者の話題に上り始めたのは、2006年8月 au に公式ポータルトップへ Google モバイルの検索窓が設置された頃だろう。それまでは、企業のモバイルサイトへの主な動線は、公式サイトが登録されているカテゴリ検索であった。

カテゴリ検索では、その表示順を上げるためにはアクセス数、会員数を増加させ、また流入はトップページからのみを想定していれば良かったが、Google 検索ではその考え方はまるで通用しなくなってしまった。

まず、表示順は Google のアルゴリズムによって決まる。対ユーザーには理解しやすい構造になっていても、対検索エンジンが理解できる構造になっていなければ、検索の上位には表示されない。

例えばタイトルタグ。対ユーザーを考えれば、お気に入りに登録する際に目にする程度なので、サイト内の全ページ同じタイトルタグであってもさほど悪影響はなかったが、検索エンジンはそうではない。ページの中身に何が書かれているかを判断するための重要な要素としてタイトルタグを見るため、全ページ同じタイトルタグではどのページがどのようなテーマで書かれているか理解することができなくなってしまう。

次に流入経路はトップページだけではなくなった。例えば、「トートバッグ」と検索をすれば Amazon のトートバッグ商品一覧ページが、「財布」と検索をすれば Amazon の財布商品一覧ページが1位に表示され(*)、ヒットしているページはいずれもトップページではない。

トップページのみを入り口と考えて作られたセッション ID を含む複雑な URL 構造のサイトの場合、商品一覧ページ、商品詳細ページまで検索エンジンに読まれていない可能性が高いため、商材名や商品名などの細かなキーワードで検索にヒットすることはないだろう。すなわち、「トートバッグ」「財布」など具体的な商材名や商品名で検索をする購入モチベーションの高い顧客を逃してしまっていることになる。

このような変化に伴い、企業のマーケティング担当者から一番多く耳にしたのが「社名やサイト名で検索をしてもヒットしない」という課題であった。大きく分けると「社名で検索をしても、アフィリエイトサイトや Wiki などが表示され自社がまったく表示されない」というパターンと、「自社サイトがヒットするものの、会社概要や利用規約ページなど想定と異なるページが表示されてしまう」というパターンがある。PC 検索では、このような現象は殆ど起きないが、なぜモバイル検索では起きてしまうのだろうか。

前者のパターンの場合は、企業サイト側がクローラーの訪問をシャットアウトしていたことが原因であることが多い。モバイルサイトの場合、au ユーザーはこのページへ、ドコモユーザーはこのページへ、と振り分けをすることがよくあるが、Google のクローラーが訪問した場合を想定していなかったため、クローラー訪問時にはエラーを返してしまう構造になっている場合があるのだ。本連載「これだけは知っておきたい検索技術」で検索エンジンの仕組みを紹介しているが、クロール→インデックス→クエリープロセスの段階の中でクロールさえされていないことになる。これでは当然検索にはヒットしない。

一方後者の場合、最近は検索エンジン側のアルゴリズムが改良されつつあるためあまり見かけなくなったが、トップページにテキスト量が不足しており、会社概要や利用規約ページに社名の記載が多くあると、このような結果になることがある。

もし現在もこのような結果であるならば、まずは上位にヒットしている会社概要や利用規約ページ内にトップページへ誘導するリンクをわかりやすく設け、対応しておくことが必要だろう。

今回は au の公式サイト検索を中心に執筆したが、2006年8月の au Google 検索窓導入以降、ドコモの iMenu、SoftBank の Yahoo! ケータイにおいても、同様にポータルトップに検索窓が設置され、モバイルサイト訪問動線の中心は検索経由となりつつある。

このように拡大するモバイル検索ユーザーを自社サイトに多く誘導したいのであれば、モバイルサイトの構造を大きく見直す必要があることをご理解いただけただろうか。この機会にモバイル SEO への取り組みを検討してみてはどうだろうか。

(*)2008年7月3日時点での au 公式サイト検索結果

執筆:株式会社アイレップ インターネットマーケティング事業部 広報・販促グループ 斉藤佐知子










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