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最新記事【2006年10月29日】

最近は検索エンジン経由の訪問者の重要性への認識から SEO やキーワードターゲティング広告への関心が高まり、それの効果検証の手段としてログ分析を活用しようと考えている企業も多い。実際、ログに残された記録から検索エンジン関連の情報を取り出して分析することは重要だ。

検索エンジン関連のログ分析で最もポピュラーな項目はキーワードリファラーだ。「リファラー」とは「参照」の意味で、例えば Google で「バレンタインデー」と検索して、表示された検索結果からあるWebサイトをクリックした時、そのWebサイトのアクセスログには直前の参照元ページとして

http://www.google.com/search?sourceid=navclient&ie=UTF-8&oe=UTF-8&q=%E3%83%90%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%BC

という記録が残る。つまり直前に閲覧していたWebページの URLで、今回は直前がGoogleだから上記のようになる。このうち "%E3%83%90%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%87%E3%83%BC" の部分を解析するとキーワード「バレンタインデー」が浮かび上がる。このように検索エンジン関係のURLからキーワードを抽出して集計するのがキーワードリファラーの項目だ。同じようにドメイン名から検索エンジン別のリファラーを集計するのが「検索エンジン別リファラー」となる。

キーワードリファラーには、Webサイトに訪れる際に利用された検索キーワードを数が多い順に集計してくれる。従ってこの項目を見ればどれだけのユーザーが何のキーワードを利用して訪れているのかを知ることができる。ターゲットとしていたキーワードで実際にアクセスがあるのかどうか、またどのようなキーワードで自社のサイトが上位に出ているのかといったことを知ることができる。またキーワードリファラーには大抵、Webサイト構築時やSEO施策時には思いもよらなかったキーワードがログに記録されていることがあるので、そういったキーワードから検索者の意図・ニーズをくみ取ってWebサイトに新しいコンテンツを追加するといった用途にも使える。

検索エンジン別リファラーは、Google や Yahoo!、MSN といった検索エンジン別の訪問者数を表示してくれる。ログ解析ツールによっては先述のキーワードリファラーと組み合わせて検索エンジン別の利用キーワード集計もできるが、この項目を見ることでどの検索エンジンを利用しているユーザーが多いかを知ることができる。国内の検索エンジンシェアは Yahoo!JAPAN と Google が圧倒的なため、実際にログ分析からもそのような傾向が出ているかどうか、比較することで問題点を発見することができる。例えば同一キーワードで Google よりも MSN 経由の方が遙かに検索回数が多いキーワードがあれば、それは Google でも利用すればサーチトラフィックを増加させる余地があることを示唆しているわけだ。

一方、参照元として検索エンジン経由が多い場合は、もう1つ、実際の滞在時間も参照する必要がある。検索エンジン経由でアクセスしてくるユーザーが多い場合、最初に閲覧されるからといって必ずしもそのページがユーザーに読まれていることは意味しない。例えば検索キーワードと当該ページとの関連性が低いにもかかわらず検索エンジンの上位に表示されている場合、ユーザー側の心理としては「検索 → 上位に表示されていたページをクリック → 探していた情報と異なるから当該ページから離脱、または他のページに移動」といった行動をとるからだ。従って、最初に閲覧されてからどれだけの時間閲覧されているかにも注意を向ける必要がある。

最初に閲覧したページとは、訪問者がWebサイトの中のどのページを1番最初に閲覧したかを表す項目だ。一方最後に閲覧したページは、他のWebサイトに移動してしまったユーザーが一番最後に見ていたページは自社のWebサイトのどのページなのかを示す項目だ。つまり訪問者にとっての入り口のページと出口のページを見つけ出すわけだ。

なぜ「最初に(最後に)閲覧したページ」が重要なのかおわかりだろうか。多くの企業はWebサイトを構築する時に「トップページ」(会社の表紙画面、たいていは ○○○.co.jp/index.html )を起点にすることが多いのだが、これは前提として最初に閲覧されるのは"トップページ"だからという考えに基づいている。しかし実際には検索エンジン経由で訪れるユーザーの多くは企業が想定するいわゆる"トップページ"から入ってくるわけではない。検索エンジンはWebサイト内の大半のWebページを登録して、検索キーワードに最も関連性の高いページを検索結果に表示するためにこのような現象が起きる。またメールや掲示板、チャット、他のサイトからリンクが張られる時にはトップページよりむしろ特定の情報を持つページへのリンクを示すことが多いことからも、企業が想定するトップページと、実際に訪問者が最初に閲覧するページとは異なるわけだ。

最初に閲覧したページについては、Webサイト内のどのページが最初に閲覧されていることが多いかを知ることができるわけだが、それ自体は意味がない。例えば最初の閲覧回数が多いページを特定できたら、そのページは実際にどれだけ読まれているかという滞在時間やその後の移動経路などと組み合わせて考える必要がある。

一方、最後に閲覧したページは、そのページが何かによって様々なWebの問題点が浮かび上がる。例えばある商品紹介ページが最後に閲覧されている場合、もしかしたら訪問者が望んでいる必要な情報がないことにがっかりして帰っていくこともある。デジタル機器のページで商品の詳細スペックや参考になる情報が全く掲載されていないWebサイトではみられる傾向である。

分析手法だが、最初に閲覧したページについては次のような視点から見ていこう。

・どのページから入ってくるユーザーが多いのか、またどこからリンクされているページか?
・そのページは何について記載しているページか?滞在時間と関連づけて、訪問者にとって適切な入り口ページだと判断できるか?
・そのページは、Webサイト全体のコンセプトや内容を推測できるものか?
・そのページから他のページに移動できるか?
・最初に閲覧したページによってその後の移動経路に何らかの傾向は見られるか?

最初に閲覧したページについては、まずどのページから入ってくるユーザーが多いかを把握する。どのページから入ってくるユーザーが多いを把握したら次に彼らが何を経由して訪れているかも調べてみよう。

例えば、メール(メーリングリスト含む)や掲示板、チャット、一般的な個人Webページからの参照が多ければ、当該ページ上のコンテンツに興味や関心のあるユーザーが多いことがわかってくる。今述べたようなツールやサイト上で交わされるリンクは大抵の場合、当該URL上にある情報に価値があるから紹介しているケースが多いからだ。この場合、もっと情報量を増加することでさらにユーザーの興味を引きつける可能性がないか、あるいはその情報に関するものを商材にすることができないかといったWebの売り上げに直接つなげられる改善策も見えてくる。そのためにも、最初に閲覧したページの後にどのページに移動しているかも見ることが大切だ。

次に最後に閲覧されたページについて。これは滞在時間や前後に閲覧していたページも参照しながら分析していく。つまりサイト内において必要な情報を取得して満足して去っていってもらえたのか、それとも当該サイトではその訪問者のニーズを解決できないと思われたから立ち去っていったのかを見極めなければならない。

例えば、会社概要や経営陣など会社のプロフィールを一通り見て立ち去っていったのであれば、その訪問者は必要な情報を取得して帰っていったと推定できるので問題はないわけだ。しかし、注文手続きに入った後の手続きで他のサイトに移動してしまっている訪問者が少なくない場合は、最終的なアクションに結びつく過程の中で去っていってしまっているので問題だ。この時は、注文手続きの各ステップのどの時点であきらめているのかを詳しく分析して問題点を見つけなければならない。大抵問題になるのは、注文手続きの最後の方で消費税や送料など総額を表示すると「思ったより高かった」と思われて立ち去られることがある。

このように最初・最後に閲覧したページは他の情報と組み合わせないと、Webサイトの真の問題点や改善点は見えてこないから注意してほしい。

検索エンジンを利用してWebサイトを訪れるユーザーが多くなったことから近年のログ分析では SEO の効果測定も絡めて検索エンジン関連のデータも詳しく分析する必要が出てきた。注目するのは表題にあげた「リファラー」と呼ばれる項目だ。

検索エンジンに絡むリファラーにはキーワードリファラーと検索エンジンリファラーがある。前者はユーザーがWebサイトを探し出した際に利用したキーワードのことで、後者はそのキーワードを入力した検索エンジンを指す。つまり「MSNサーチにてバレンタインデーというキーワードを使って訪れた」ユーザーのリファラーは、キーワード=バレンタインデー、検索エンジン=MSN というわけだ。

自社のWebサイトにはどんな検索エンジンから何のキーワードを利用して訪れているのかを把握し、そこに隠れたユーザーの傾向やニーズを導きだすことで、必要な検索エンジン対策が見えてくる。たとえば「このキーワードで検索すると検索結果の1ページ目に表示されるのに全然アクセスが増えない」という事実が見られれば、それは検索キーワードの選択を誤ったというわけだ。

キーワードリファラーでは次のような観点から見てみよう。

・どのキーワードで訪れる訪問者が多いか?
・SEO対策を行い、かつ成果の出ていたキーワードは実際にログに記録されているか?
・そのキーワードを使って訪れた訪問者が最初に閲覧するページはどこか?
・当該キーワードの検索者の意図と、そのページのコンテンツは適合しているか?
・キーワード別のWebサイト/ページの滞在時間に違いはあるか?
・キーワード別に訪問者の参照経路を追跡。キーワードにより移動パターンに特徴があるか?

キーワードリファラーの項目はとかくキーワード別の検索回数の数字そのもの、そしてSEOで狙っていたキーワードで実際にユーザーが訪れているかどうかに注目がいきがちだ。ただ、もう1歩踏み込んで分析するとWebサイトの改善策が見えてくる。例えばキーワード利用回数が多くても実際には「1ページだけ閲覧」でふれたようにそのページだけ見て帰ってしまうユーザーが大半であれば、何の意味もないわけだ。

また、キーワード別の滞在時間やサイト内の移動にも注目してほしい。特定のキーワードによってサイトのあちこちを長くみているユーザーや、数ページ見て帰ってしまうユーザーなどいくつかの行動パターンがキーワードによって分類できることもある。

キーワードにはユーザーの意図・欲求・ニーズが隠されている。それをくみ取ってサイト内の経路を工夫することでうまくアクションを起こさせることも可能になる。

次に検索エンジン別のリファラーの見方だが、これはキーワードと相互参照しながら分析していく。
・どの検索エンジン経由で訪れている訪問者が多いか?
・検索エンジン別訪問者の割合は、検索エンジンシェアに一致しているか?
・検索エンジン別にどのキーワードで訪れる訪問者が多いか?
か?
・検索エンジン別に平均コンバージョン率に違いは?

検索エンジン別の訪問者数を見ると、大半は Yahoo!、Google となっているだろう。これは国内の検索エンジンシェアの大半をこの2つの検索エンジンが握っているからだ。従ってログ分析をした時にもこの割合に注意してほしい。Google が極端に少なかったりすれば、同一キーワードでも検索エンジンごとに露出度のバランスが悪い可能性がある。ただ、MSN は Google とは異なる検索インデックスを持っているため、サイトの性格によっては MSN の方が全訪問者数では多くなるケースも時々見られる。例えばあるキャラクターグッズ販売のECサイトでは、MSN上で「ガンダム」1語で上位に表示されていたために同キーワードでは上位に表示されていなかった Google より MSN の方が訪問者が圧倒的に多かった(直接売り上げに結びついたわけではないが)。

最近は「キーワード別のコンバージョン率にも関心を」といわれることがあるが、これはキーワードによって最終的にアクションを起こすユーザーの割合が異なるからだ。余裕があればこれをさらに詳細に分析して同一キーワードの検索エンジン別のコンバージョン率も分析するとよい。検索エンジンごとに利用者層は異なるため、全く同じキーワードでもそれを利用した検索エンジンによってコンバージョンが変わる傾向があるからだ。

ログ分析をすると、いろいろな棒グラフや円グラフ、数値の一覧が出てくる。非常に詳細な情報までつかめるから見ているだけでも結構おもしろいものだ。しかしログ分析を見て終わらせるだけでは何の意味もない。

ログ分析は何のためにするかというと、現状のWebサイトから得られたユーザーの行動データを元に問題点を発見し、それをWebサイトの改善に活用しようということだ。つまり、ログ分析はWebサイト改善のためにするのであり、その気がないならログ分析など一切必要ないと言い切ってもいい。

ただ、すぐログ分析をしろといってもその考え方を知らなければ、ただ膨大な数字のデータを見るだけになってしまう。そこでログ分析をする際の考え方や心構えについて学習しよう。

1. 問題意識を持つこと。「なぜ」を考えよう

1つ目は、つねに「なぜ」という問題意識を持って欲しい。ログ解析をすると様々なデータが出てくる。そういったデータについて「なるほどね、こういうユーザーが多いんだ」で終わらせてしまう人が少なくないのだが、それは全く意味がない。ログ分析では常に「なぜそうなるのか」を考えることだ。「なぜ」を考えるのが基本だ。

例えばある特定のキーワードを使って訪れてくるユーザーが多いのであれば「これが人気キーワードなんだ」ではなく「なぜこのキーワードで訪れてくるのか」を考える。毎日ある特定の時間だけ訪問者数が増えているのであれば、なぜその時間帯は他の時間帯より数が増えるのか、訪問者の属性に変化があるのか?といったことを考えてみる。

ログに出てきたデータの原因・理由を考えることで、Webサイトの改善の糸口が見えてくるはずだ。

2. 目標・理想をイメージすることで問題点を浮かび上がらせる

例えば極端だが次の例を見て欲しい。

≪神奈川県のとある地域のバスは、空が晴れていても定刻より30分以上も遅れてやってくる

こんな話を聞いたら、あなたはこのバスは問題だと感じるだろう。雨の日ならともかく晴れの日なら、バス停にかかれた時刻表より30分も遅れてやってくるのは日本に住んでいればそう経験しないだろう。この時、これが「問題」だと認識できたのは

あなたの理想・経験:バスは定刻通りやってくる。
現状       :バスは30分遅れてやってくる

このように、「あるべき姿、理想像」と現状との間に大きなギャップ(ここでは時刻を守る、全然守らないというギャップ)を認識できたから「問題」だとわかったわけだ。

ログ分析でもこの視点が大切だ。つまり、Webサイトに対して「目標」や「理想」を持つことだ。どういうWebサイトにしたいのか、何をしたいのかという目標を明確に定めることだ。この目標を決めた上でログを見ることで、その目標と現実(=ログの結果)の間に「差」を見つけることができる。この「差」が現状の課題であり問題点であるわけだ。また、目標を明確に定めていることで、その問題点に対してどのような改善策が選択肢として適切なのかもみえてくるようになる。

「Webサイトの目標は何ですか?」こう質問すると意外と答えられない方は多い。まずこの質問に対する答えを考えてみよう。

3. ログに出てきた傾向から仮説を考えてみる

3つ目は、ログ分析によって得られた訪問者行動の傾向から、仮定・仮説を考えてみることだ。例えば米国の事例で、あるお店で注文手続きの途中で購入をやめてしまうユーザーが多かったところ、「消費税と送料などを合計したら高いと思ったからやめたのでは」と考えたオーナーが一定時間経過後にそのショッピングカートに入った商品をディスカウント販売した上にメールで通知してみた。するとそのショップに戻って購入をしてくれたユーザーが少なくなかったそうだ。このように、ログ分析を通じて得た事象から「こういうことが原因ではないか」と推測した上で「こうするとよくなるのではないだろうか」と仮説を考えて、それを実行してみることも大切だ。

仮説→実践→検証 の繰り返し!

以上のことを踏まえてログ分析をしながらWebサイトの改善を目指すと、表題の通り「仮説をたてて」、「それを実践して」、「結果を検証してみる」ことの繰り返しということがわかる。常にこの繰り返しだ。

実際、改善するための仮説をたてて実践するすると結果は芳しくないこともある。そしたらもう1度元に戻って「この仮説では違った。ではこうしたらどうだろうか」と新たな仮説を立てて実践してみるわけだ。これを繰り返していくと場合によっては何回も何回も失敗することもあるが、いいかえればそれだけ豊富なデータを入手できたことにもなるし、他のプロジェクトやWebサイトのリニューアルを行う際に貴重な参考資料となる。

アクセス解析でわかることは、
・どこから訪問してきたのか。その訪問は初めてなのか2回目以降なのか。
・サイト内でどのページを閲覧したのか、どの順番で閲覧したのか。
・アクセスしてきた時間、訪問者の滞在時間。
・よく閲覧されているページ、そうではないページ。
・IPアドレス/ホスト名によるおおまかな地理情報。
・利用するブラウザのOS,種類、そのバージョン。

アクセスログでわからないこと
・訪問者の属性。IPアドレスやホスト名から利用するプロバイダや所属企業・組織までの情報は得られるが、それ以上の個別情報は得られない。例えば性別、年齢、職業、興味など。
・社内のプロキシサーバ経由でアクセスしてきた訪問者。異なる訪問者でも同一IPでアクセスする、または同一訪問者でも毎回異なるIPアドレスでアクセスすることがあるため、正確な訪問者数やクリックストリームは追跡できない。
・一般的なネットユーザーの利用者傾向。ログから得られる記録はあくまでサイトに訪れた訪問者のデータのみ。

訪問者がWebサイト内のあるページをブラウザで開いた時、それを1ページビューと数える。つまり、1回ページが表示されたら1ページビューだ。ただし、10ページビューといった時に果たして1人のユーザーが10回同じページを開いたのか、それとも10人の訪問者が1回ずつページを開いたのかはわからない。これを区別するのが訪問者数という項目で、同一訪問者が一定時間内に同一ページを開いても新たな訪問者数としてはカウントしない。

ページビューと訪問者数は、まずWebサイト内でどのコンテンツに人気があるのかを計るための1つの指標として役に立つ。一般的にはページビューが多いページはそのWebサイト内においてユーザーに興味・関心の高いコンテンツがあったということだ。例えばECサイトであれば、どの商品ページのページビューが高く、どれが低いかを見れば人気商品とそうでない商品のおおよその目安になる。

・よく閲覧されているWebページは何か、また閲覧されているページ同士で共通する項目はあるか?
・ディレクトリ単位での訪問者数やページビューはどうか?
・よく閲覧されているページは連続して閲覧されているのか?それとも全く違うユーザーによってそれぞれ閲覧されているのか?
・一定のタイムスパンで見た時の推移はどうか?

訪問者数やページビュー数を見る時には、前提としてWebサイトのページやディレクトリ分類が整理されていることが前提となる。例えば家電を取り扱うECサイトが、1ページ内に冷蔵庫もAV機器も健康器具も一緒くたにまとめていたら、仮にそのページの閲覧数が多いからといって訪問者が具体的にどの商品に関心があったのかをつかみづらくなるからだ。従って、商品や商品カテゴリー単位でページとディレクトリを分類しておくと、ログ分析をする時に数字の大小と対応コンテンツとの相関関係を推し量ることができるようになるからだ

また、ISP やホスティング会社、取り扱いに高度な知識を要求する商品を取り扱うWebサイトであれば、ユーザーに対して多くの情報を提供するためにFAQや詳細なサポート情報を提供しているところも多いだろう。こういったセクション内のページで、訪問者数やページビューの推移を見ていくことで、商品のどの部分がわかりにくいのか、どこで消費者がつまずくのかといった情報が得られる。これをWebサイト内のFAQコンテンツの配置に反映させることはもちろん、商品そのものに対してもその情報をフィードバックすることが可能だ。

ページビューや訪問者数は、ある一定のタイムスパンの中でどれだけのページビュー/訪問者数の増加があるかを測る時に用いられるものだが、この2つの項目を混同しないように注意してほしい。例えば、ある6ヶ月の期間の間でWebサイト内の総ページビューが30%増加したとしよう。しかしこの間にWebサイト内のページ数も大幅に増加しているのであれば、このページビューは必ずしも以前と比べて訪問者のニーズを満たしたことは意味しない。なぜなら、Webサイト内の総ページ数が増えていればクリックされるページ数も増加しているわけで、必然的に総ページビュー数も増えてくるからだ。このケースでは、その増加したページへの訪問者数やクリックストリームの観点から果たして「以前のコンテンツから強化したからその新規ページにも訪れるようになっているのか」ということを考えなければいけない。

ページの滞在時間とは、あるWebページにユーザーが止まった時間を指す。一方サイトの滞在時間とはあるユーザーがページ数に限らずそのWebサイト内に止まっていた時間を指す。つまりリアル世界で例えれば消費者が何分間お店の中にいたかを示す項目だ。

同じWebサイトの中でもページによって滞在時間は大きく変わってくる。例えば訪問者の興味をかき立てるコラムや商品に関する詳細な情報が掲載されていれば訪問者はそれを熱心に読むだろう。すると滞在時間も長くなる。また、ページを見たけれどもおもしろそうな情報がなかった、ほしい情報とは異なる情報を持つページにたどり着いた場合はすぐに移動するだろうから滞在時間は短くなる。また、他のサイトから訪れたけれども考えていたものとは違うサイトであればすぐに移動するだろう。

一般的にサイト内に長く滞在するユーザーが多いということは、それだけ訪問者のニーズを満たす充実した情報があったことを意味するだろうし、ページ単位でも長く滞在するユーザーが多いページには充実した情報があったということだ。

・滞在時間が長いページを割り出してみる
・滞在時間が長いページはそれ相応の内容なのか、またそうでなければ、なぜ長く滞在しているのか
・また"滞在時間が長いはずのページ"の実際の滞在時間はどうか。実際の滞在時間が短いのであれば、それは何が原因だと考えられるか

滞在時間のログ分析というと、訪問者が平均してどの程度の時間滞在していればWebサイトとして合格なのか、といった時間の基準が気になる方がいるかもしれない。しかし、この滞在時間についてはWebサイトの性格や各ページ固有の情報によって何が適切な滞在時間であるかは異なるので一言でまとめることはできない。

従ってページの滞在時間から分析する時には、当該ページの持つコンテンツとのかねあいや、その他のログ分析の項目と相互参照しながら分析することになる。

例えばニュースやコラムなどある程度まとまったボリュームの文章で構成されているページであれば、一般的にそれを熟読した場合にかかる時間、および斜め読みをした場合にかかる時間が1つの基準となる。これらの時間より下回っている、あるいはほんの数秒しか滞在しておらず明らかに読まれていないのであれば問題があるはずだ。

一方、商品やサービスの説明ページで画像や Flash などビジュアル的な要素を用いて特徴や要点を上手にまとめているページであれば、滞在時間的にはそう長くなるわけではないので、むしろその後にどのページに移動しているか、といった情報の方が大事になってくる。

いずれにせよ注意してほしいのは、滞在時間が非常に短いからといって、ページで提供している情報がユーザーのニーズと一致していないことを意味するわけではないという点だ。例えば、ページのレイアウトがごちゃごちゃしていて情報がよくわからないページ、デザインが醜いページであれば内容に目を通してもらう前に印象が悪いためにすぐにページを移動されることがあるからだ。

同じようにナビゲーションに問題がある場合もある。例えば、ある特定の情報を探しているのに見つからないユーザーがあちこちクリックしながら移動している場合は滞在時間は必然的にほんの数秒となる。読者の中にも、あるメーカーのある商品の詳細を知りたくてメーカーサイトに訪れたのに、その商品説明がどこにあるかわからずあちこち移動したという経験もあるだろう。そういったケースの情報も含まれているので、本来期待する滞在時間とログ分析の結果に乖離があるのであれば、本当にページの内容が悪いのか、そもそもサイトの作りやサイト内導線に問題があるかも見極めないといけない。

クリックストリームとは、訪問者がWebサイト内どのページをどのような順番で閲覧したのかを追跡していく項目を指す。リアル世界でいえば、消費者がある店舗でどのように移動してどの商品棚を見ていったのかを追っていくことだ。

例えばあるサイト経由で訪れた訪問者が、特価品情報のページに移動して、そこからいくつかの特価商品を閲覧した後にトップページに戻って帰っていた、とか、ショッピングカートに商品を入れた後に他の商品もいくつか見ていくうちに注文処理をせずに他のサイトに移動してしまった、あるいはサイトに訪れるなりすぐに出て行ってしまった、ということもわかるわけだ。

Webサイトを構築した時には、そのWeb制作者やマーケティング担当者は、訪問者にこのように移動してほしい、という想定する経路があるはずだ。例えば最終的に資料請求というアクションを起こしてほしいことを目的とするWebサイトであれば、メール広告やバナー広告経由で訪れた訪問者はまず最初のページ(トップページ)をいくらか閲覧してもらった後、注意事項やサービスの詳細を記述したページも見てもらい、その後資料請求フォームへ移動してもらって送信を完了する、といった具合だ。あるいはECサイトであれば、トップページから今日のおすすめ商品のページに移動してもらいそこから直接購入する訪問者、などといった具合だ。こういったいくつか訪問者の移動を想定して、そのように動いてくれるようにWebサイト内のナビゲーションや情報構造を構成することを「サイト内導線」ともいうのだが、ログ分析を活用することでこのサイト内導線を整えることができる。実際には訪問者がWebサイトの中をどう移動しているのかとを対比させることにより、Webサイトのナビゲーションや情報の構造的な問題点を発見できるからだ。

さらに、クリックストリームを分析するとおおざっぱな訪問者の移動パターンの傾向が出てくる。全く同じような移動をするユーザー群が見えてきたら、その移動パターンから訪問者が何のコンテンツを欲しているのかといったニーズの把握にもつなげられる。また、その移動パターンがWeb運営者側が望まない移動(つまりアクションにつながらない移動)であれば、ナビゲーション関連に問題があることが推定される。

■ クリックストリーム::分析手法

・あるページを起点として、そこからどう動いたのかを追跡してみる。その行動から何かの傾向は得られないか?
・(サイト構造上の)トップページからどこに移動しているユーザーが多いのか?意図通りの場所に移動しているか?
・最終的にアクションを起こしているユーザーの動きはその他と比較して特徴がないか?

わかりやすい分析方法を1つ紹介しよう。Webサイト内に数多くあるページでも、役割として重要な主要ページがあるはずだ。例えばWebサイトのトップページであったり、各商品カテゴリのメインメニューページだ。こういったページには訪問者に対して特に閲覧してほしいと願いを込めたメニューやリンクが並べられているはずなので、まずこういったページから実際に訪問者が思った通りに移動しているかを分析するとわかりやすい。つまり、サイトの移動を追跡する起点ページを決めて、そこからどう動いたかを見ていくわけだ。

例として、トップページの分析方法をあげてみよう。ECサイトならばトップページにはグローバルメニューに各商品カテゴリのリンクがあるだろうし、随所に今日の特価品やオススメ品、キャンペーン情報など多種多様な情報を入れているに違いない。そこで、トップページから次にどこのページへ移動するユーザーが多いかを見るわけだ。すると、例えば「今日の特価品」のようなユーザーの興味をそそるしWebサイト側としても見てほしい情報に移動しているユーザーが以外と少なかったり、あまり人気がないと考えてメニューの片隅においておいた情報に意外とアクセスが多かったりといったことが発見できる。もしクリックしてほしい情報へトラフィックが流れないのであれば、その情報を配置する場所をもっと目立つ場所に変更したり、あるいはそれ自体が目立つように派手なバナーにするとか、様々な改善策も見えてくるわけだ。

ログ分析をすると、サイト内のとあるページに入ってくるなりそのまま他のサイトへと去っていくユーザーがいることに気がつく。お店の入り口に姿が見えたと思ったらさっと姿を消してしまうようなものだ。これは「トップページ離脱」、「ページ直帰」あるいは Single Access Page などと呼ばれているのだが、要はたった1ページだけ閲覧して立ち去ってしまうユーザーのことだ。

このような行動を起こす原因としてよくある例は、あるキーワードを使って検索エンジン経由で訪れたけれどもすぐに帰っていく場合だ。例えば旅行用スーツケースを購入したくて検索エンジンで探していたところ、日常使うスーツケースを販売するサイトにたどり着いてしまった時。この場合欲しい情報はそこにないからそのまま帰っていってしまう。

また、ナビゲーションの問題でそのまま帰っていくユーザーが多いこともある。例えばある商品を紹介するページで、クリックすると別ウインドウにて表示される仕組みの場合だ。Webサイト制作者は商品紹介ページを訪れた上でクリックして初めて別ウインドウが表示されるという想定で作っているのだが、検索エンジン経由で最初にその別ウインドウを開いてしまうこともある。こういったケースではたいてい、別ウインドウから他のページに移動するためのナビゲーションはついていないから、訪問者はたとえその情報自体には興味があっても移動する術がないからやむなく帰ってしまうわけだ。

分析手法

まず1ページ閲覧で帰っていく行動が多くみられるページをみたら、その原因を考えてみる。そのページが

・検索エンジン経由で訪れているのであれば、何のキーワードでたどり着いているのかを調べる。そのキーワードに込められたユーザーのニーズとたどり着いたページで提供されている情報は合致しているかどうか?
・キーワードと当該ページの内容が合致しているなら、そのページの作り方に問題はないだろうか?そのページを含むWebサイトが何のサイトかわかるか、他のページに移動するためのナビゲーションは用意されているか、運営者が誰かわかるようなロゴや会社名がサイトのどこかに記載しているか?
・一般のWebサイトに張られたリンク経由で訪問できるページなら、リンク元でWebページはどのような文脈で紹介されているのか。その内容とページの内容はあっているだろうか?

といったところをみていくと手がかりがつかめるだろう。

なお、1ページだけみて帰っていくからといって、必ず問題があるわけではない。その1ページでもってユーザーが必要な情報を得て満足して帰っている場合もあるからだ。例えばパソコンの型番をキーワードで検索してきてスペック表の1ページだけをみて帰っているのであれば、これは必ずしも問題があるとはいえない。おそらく特定のパソコンの仕様をみたかっただけかもしれないからだ。

検索エンジン業界の動きが慌ただしい。2004年に入ってからの3ヶ月半を振り返っても、米Yahoo! Inc. の Google との”離婚”と Yahoo! Search Technology のリリース、Google Local Search や SmartView によるローカル検索・広告市場の始まり、Eurekster や MSN Newsbot、Google Personalized Search などに代表されるパーソナライズド検索の登場など、今後の検索エンジン市場はもちろん、企業のウェブマーケッター担当者の関心のある SEO や検索連動型広告の動きにも多大な影響を与えるような動きが活発だ。

一方であまり語られていないが SEO をマーケティングの手段として活用している企業はもちろん SEO 会社にとっても今後憂慮すべき問題はある。それは検索アルゴリズムの高度・複雑化による SEO 作業への負荷の増大だ。

例えば昨年末から今年初めにかけて Google が採用した数々の新しいアルゴリズム。この数ヶ月の間に Google は次のような技術を採用している。

・セマンティック (Semantic) …Webページが何について記述されているかを分析・判断する技術。Webページのコンテンツを判断するための新たな切り口

・ステミング(Stemming)…セマンティック技術をベースにした、検索ユーザーの検索意図をより良くくみ取るための技術

・ヒルトップアルゴリズム(Hilltop Algorithm)※… "Authority" "Expert" という概念を利用した、従来の PageRank 技術の欠点を補うためのアルゴリズム

・新しいスパムフィルター…マルチドメイン(サブドメイン)スパムに対処するための新たなロジック、ウェブログや掲示板、自動登録型リンク集からのリンク処理判断の変更など

また、米Yahoo! からリリースされた Yahoo! Search Technology には "Authority - Hub" という概念をベースにしたアルゴリズムが採用されていると言われる。

これらの検索アルゴリズムに共通するのは、その主眼が「Webページをより的確に理解すること」と「検索者の意図をより的確にくみ取ること」に置かれている。つまり、従来より多様な視点から - より人間の思考に近づけて - 任意のキーワードに対して提示すべき、本当に質の高いWebサイトの特定と共に、「ターゲットとするキーワードをここに配置しておこう」とか「ここから無数にリンクを張り巡らせてリンクポピュラリティーの効果を高めよう」といった、小手先のテクニックにより上位に表示させてきたWebを排除していく動きだ。

先ほど挙げた Google の新アルゴリズムは幸いにも日本語環境にはまだ適用されていない(2004/04/16)。しかし、ステミングについては日本語への適用の影も見られるなど、検索技術の向上を考慮すれば今後はおそらく日本語検索にも実装されることだろう。

例えばヒルトップまたはそれに相当するアルゴリズムが本格的に動き出せば、従来ほど簡単にリンクポピュラリティー対策はできない。外部からのリンク自体はウェブマスターのコントロール外であったからそれ自体の対策は困難であったが、今後はさらに厳しくなる。単純に見かけ上のリンクを増やせば良いというのではなく、Web自体が検索エンジンフレンドリーな構造であるとともに「ユーザーにとって価値のあるコンテンツを有する」ことも必須事項となる。

ロジックが複雑化するため従来社内のウェブマスターでSEO の対策を行ってきたものにとっては過大な負荷と労力がかかることが予想される。もしかしたら対応ができなくなるかもしれない。SEOを専門とする会社にとっても同様で、従来よりも深い分析と適切なSEO施策のディレクションと戦術が求められるため、個々のクライアントに要する作業時間も増大していくだろう。

幸いにも現在の日本のSEO市場では旧来の方法で何とか対策を打つことが可能だが、今後はそう簡単な世界ではなくなっていくのではないだろうか。

2004年3月末に Google よりパーソナライズド検索(個別化検索)が登場した。これは検索結果に表示する情報を、検索ユーザーの過去の検索履歴や趣味・嗜好にあわせて最適化を行うための技術だ。全く同一のキーワードで検索が行われても、それを入力した検索者によって求めるニーズは異なる。この従来の検索サービスでは埋めきれなかったニーズのギャップを埋めるために Google はもちろん、Yahoo! も Microsoft もパーソナライズ技術の開発に取り組んでいる。

ところで、検索結果が各人に個別化されると SEO にどのような影響があるかを考えたことはあるだろうか。

直接影響を与えうるものが、任意のキーワードにおける、Webサイトの表示順位の評価方法だ。

例えば、「自動車保険」で検索した時に自社のWebサイトが20位に表示されていたと仮定しよう。この場合、同じ検索エンジンを利用する限り、ある一時点においては誰が検索をしてもそのサイトは20位だった。

しかし検索結果が個別化されるとこの事情は変わってくる。あるユーザーが検索した時には上位に表示されるかもしれないし、また別のユーザーが検索した時には全く表示されないかもしれない。

これはパーソナライズ化がどの程度のレベル・観点から行われるかによっても異なる。個別化といっても Google のように予めユーザーが興味あるカテゴリを選択する方法もあれば、Yahoo! の試みのように検索履歴をトラッキングする方法もある。もしかしたらユーザーの過去の購入履歴を検索のパーソナライズ化に利用する検索エンジンが出てくるかもしれない。

いずれにせよ、従来の”ランキングチェック”が過去のものになるだろう。もちろん、従来の手法も”ピュアな”(個別化されない、一般的なという意味で)状態におけるランキングとして参考指標になるだろうが、あくまで参考にしかならないかもしれない。今後パーソナライズ検索がどのような形式で実装されるのか、またユーザーがどの程度それを使いこなすのか。今後の SEO を考える上で動向を注視していく必要があるだろう。

SEO を勉強されている方がよく陥りがちな誤りとして、いかにキーワードで自分のサイトを上位に表示させるかという点にだけ注力して、どのページを上位に表示させるのかという視点を忘れてしまうことがある。

例えば、国内および海外の旅行ツアーを取り扱う旅行代理店が、「海外旅行」というキーワードで上位に表示させると仮定しよう。すると、とりあえず自分のサイトの中にあるどれか1つでもいいからとにかく上位に表示されれば良いと考えてしまう。例えば、その上位に表示されるページが「国内旅行について」のページであっても「会社概要」であっても、あるいは「お問い合わせフォーム」であっても、とにかくそのページが自社サイト内のページであればOKだと考える - そういう人が SEO の”技術的な”知識に詳しい人でも多いのが実情だ。

けれども、果たして「海外旅行」というキーワードを使った人を「会社概要」のページに連れてきても満足するだろうか?その人は会社概要の情報を真っ先に見たいために「海外旅行」というキーワードを使ったのか?そうではないはずだ。

SEO は単に自分のサイトのいずれか1つのページを上位に表示させればいいのではない。ターゲットとするキーワードに対して、それ相応のページが上位に表示させることにも配慮しなければいけない。企業側の視点から見たトップページは1つであっても、ユーザー側から見ればその企業の持つ全てのページが”入り口”になる可能性があるのだ。どのページはどのキーワードで上位に表示されなければいけないのか。それを見直す必要がある。










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