サッポロビール株式会社とサッポロ飲料株式会社は2006年9月11日、共同でホップフラボノール配糖体を含むホップ水抽出物に花粉症症状軽減効果があることを臨床試験で実証したと発表。2006年10月の日本花粉学会で発表予定。その結果をもとに両社は共同でホップ水抽出物を使用した機能性飲料水の開発に着手し、サッポロ飲料は明年の花粉シーズン到来に向けホップ水抽出物を含有する新商品を発売する計画だ。
サッポログループでは1876年の創業以来130年間培ってきたビールの主原料である大麦とホップの育種・品種改良技術の蓄積から、ホップの有用性に関する研究を続けており、今回の成果については、ホップ水抽出物の製法とアレルギー症状軽減効果について特許を出願した。
臨床試験では、花粉症の権威である日本赤十字社和歌山医療センター耳鼻咽喉科の榎本 雅夫(えのもと ただお)先生の監修の下に、花粉症者20名の被験者がホップ水抽出物を添加した試験飲料水を連日摂取することによりホップ水抽出物の機能と安全性を確認した。試験では被験者20名の60%がくしゃみ症状、55%が鼻水症状の軽減効果を体感できたことを確認した。耳鼻科医師による鼻所見でも鼻症状の改善傾向が認められ、被験者による症状スコアおよびSMSスコアでプラセボ(ホップ水抽出物の入っていない対照飲料)を摂取した被験者20名と比較して症状軽減効果が確認された。
ホップフラボノール配糖体を含むホップ水抽出物には、花粉症症状を誘発するヒスタミンの遊離を抑制(抗アレルギー性)する作用があることを発見し、両社ではこの抽出物を利用し種々の機能性が期待できる商品の開発に取り組んでいる。また本抽出物には通年性アレルギー(アトピー、ハウスダスト等)症状軽減効果もあることが期待され、現在研究中。両社では今後もホップ水抽出物が持つ様々な有用性を実証し、商品化に向け取り組んでいく。
サッポログループでは各事業会社が得意とする分野を共同で研究することで、開発スピードを上げ、お客様により安全、安心で健康に配慮した商品づくりをしていく。
ホップフラボノール配糖体とはフラボノールは植物の黄色い色素成分の総称、配糖体はそれに糖がついて水溶性が増したもので、植物中では配糖体の形で存在している。ホップを水抽出することにより、溶出してくる機能性成分。大豆のイソフラボンやお茶のカテキンなどが類縁物質としてある。
症状スコアとはアレルギー性鼻炎に由来するくしゃみや鼻水、鼻づまり、日常生活の支障度などを回数や程度に応じて点数化して日々記録する。鼻アレルギー診療ガイドライン2005年版の基準に基づく。
SMSスコアとはSymptom medication scoreでアレルギー性鼻炎重症度の症状薬物スコア、使用薬剤の種類と量とで決まる薬剤スコアと上記の※2の症状スコアを加算したもの。アレルギー性鼻炎の総合重症度で症状スコア同様、鼻アレルギー診療ガイドライン2005年版の基準に基づき、一般的に指標とされている。
ホップ水抽出物の作用とは2005年3月の日本農芸化学会大会及びオーストラリアで開催されたThe Institute of Brewing & Distilling Asia Pacific Sectionで発表。2006年3月の日本農芸化学会大会では岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 亀井千晃(かめい ちあき)教授と共同で動物実験を行った結果を発表、各々論文にしている。