SNS の今後

インターネットビジネスを成功させる上で欠かせない要素は、多くの人が集まるWebサイトを構築することである。eBayやYahoo!、Amazon.com、Googleといった世界の名だたる成功したと言われる企業はいずれもみな、何らかの仕組みを構築することで多くのユーザーが集まり、滞在するサイトを構築することに成功している。そして集客したユーザーをコアコンピタンスとして新たな事業を展開していく。一定の情報を集中させた企業が1人勝ちすることが多いことを考慮しても、具体的なビジネスモデルを構築するよりも大切な場面もある。
日米のSNSを見てきた通り、いずれも収益モデルは構築せずとも人が集まる状況は出来ている。米国ではFriendSterやLinkedIn、OrkutといったSNSが人を集める段階までは到達している。日本でもmixiとgreeが米国との差はあれ日本では最も人が集まり、そしてユーザーが活動する場へとなってきている。
次の段階に進むためには、従来ユーザーに対してSNSの楽しさを伝えるという社会的価値の浸透に留まらず、経済的価値、収益を出すモデルの構築を考える段階に来ている。SNSの生み出すソーシャル・キャピタルや信頼性の基盤という見えざる価値を伝え、それを活用する企業を市場に求めるためにもまず第1に各々のSNSは何を提供できるのかを今一度考える必要があるであろう。それが例えばmixiであればブログとそれのコメントによるユーザー間のコミュニケーションが生み出す感情の共有という価値であり、greeであれば他者紹介による個人に対する信頼性の付与という価値である。
SNSは本質的に人々が交流するコミュニティビジネスであり、そこから創造できるビジネスモデルは本研究で挙げた例示以外にも多くの可能性があるであろう。ただし、いずれのビジネスモデルを選択するにせよ、ユーザーが単に自然に活動することを待つのではなく、活動を促すための何らかのインセンティブを与えることと、コミュニティ内において個々人がより安心して交流ができるように個人個人の信頼情報の向上が求められよう。特にネット社会の問題点として常に指摘される匿名性の問題は後者のソリューションによって変わる可能性があり、この制約を克服できたSNSが大きく成長するのではないだろうか。
