mixiが日本最大に至った要因

国内で初期に登場したmixiとgree。当初はgreeが会員数を順調に伸ばし、5月時点では日本初のSNSとして最大規模へと成長した。しかしその後はmixiが順調に会員数を増加し、2004年末には日本最大SNSとなった。
この現象について、life onの保田は「greeに参加することでSNSに興味を持ったユーザーが、その後にmixiに移転する一方で、mixiを通じてSNSに興味を持ったユーザーはそのままmixiに留まっていることが背景にある」と語る。
本節では国内においてmixiの会員が順調に増加し続け、ユーザーに支持されるようになった要因について考察をする。この要因を明らかにすることにより、今後新たにSNSを設計する際に必要とされる条件も明らかになると考える。
SNSを運営する複数の社長とのインタビュー、また実際にSNSを利用する一般ユーザーの意見も踏まえて要因を考察した結果、mixiの成功要因として次の3つに集約することができる。
[mixiの成功要因]
1. ブログ機能によるコミュニケーションの活性化
2. 偏りなきハブとコネクターの存在
3. SNSのインターフェースデザイン
1. 日記機能によるコミュニケーションの活性化
mixiは初めて日記機能を内部に組み込んだSNSである。日記機能は一般にはブログとも呼ばれるが、ブログは2001年の米国同時多発テロ事件を機に米国で爆発的な人気を集め、日本でも2003年後半から注目を集めている。
mixiはブログ機能をSNSに搭載し、参加者が交友関係のあるユーザーに気軽に情報発信を行う環境を整えたところ、オンライン上でのコミュニケーションが活性化しmixi人気の火付け役となった。
イー・マーキュリーの笠原によると、大半のユーザーは日常生活の出来事を書いたり外出先で撮影したデジカメ写真を掲載したりとプライベートなことを発信しているという。これを見た友人や知人がその日記にコメントをする。同社発表の資料によると、1日当りの日記(ブログ)数が48,000、コメント数が24万と記録されている(詳細は表 )。会員数が20万であることを考慮すると、ブログやそれを基盤にしたやりとりが主活動となっていることがわかる。
life onの保田、フェアオークスの前川を初めとしてSNSの研究者らはいずれもmixi躍進の理由としてブログ機能の存在を挙げている。また、mixi既会員や、greeからmixiに移籍した会員もmixiを選択した理由としてブログの存在を挙げている。
実はブログ機能単体でいえば、greeでも不可能ではない。他の企業が提供する無料で利用できるブログサービスは数多くあり、greeはそれと連携するための機能を持っているからだ。ではなぜ、その機能を使わずにmixiのブログ機能が人気を集めたのだろうか。
これはmixiのブログ機能はその公開対象を決定することができることにある。他者のブログサービスは基本的に従来の無料Webサービスを代替するものとの位置づけであり、公開対象はインターネット上の全てのユーザーとなっている。対してmixiのそれは公開先をmixi会員全員から「知人の知人」あるいは「知人」といった公開範囲を設定できる。従って、非常にプライベートな情報を発信したいユーザーは公開範囲を「知人」にすることができる。公開範囲の指定が可能なことにより知人と密接にかかわりのある話題を通じたコミュニケーションが可能になり、それがmixiの魅力を高めていったのであろう。
